イタリアを代表するフレッシュチーズ、ブッラータとモッツァレラ。見た目はどちらも白くて丸い形をしていますが、ナイフを入れた瞬間にその違いははっきりとわかります。中から溢れ出す濃厚なクリームを楽しむブッラータと、弾力のある食感を味わうモッツァレラ。それぞれの魅力を知り、食卓を華やかに彩りましょう。
ブッラータとモッツァレラの違いは中のクリーム感で決まる
見た目がそっくりな二つのチーズですが、構造には大きな違いがあります。ブッラータは「モッツァレラの中に生クリームが入ったもの」と考えると分かりやすいです。この構造の違いが、口に入れた時の食感や味の広がり、そして料理への活かし方に大きな差を生み出します。
ブッラータは割ると中がとろっと出る
ブッラータの最大の特徴は、巾着状になったモッツァレラの生地の中に、細かく刻んだモッツァレラと生クリームを混ぜ合わせた「ストラッチャテッラ」がたっぷりと詰まっていることです。ナイフで表面に切り込みを入れると、真っ白なクリームがとろりと溢れ出し、目でも舌でも贅沢な気分を味わえます。その贅沢な構造から、イタリア語で「バターのような」という意味の「ブッラータ」という名前が付けられました。
もともとはモッツァレラを作る際に出る余りの生地を有効活用するために考案されたと言われていますが、今や「幻のチーズ」と呼ばれるほどの人気を誇ります。外側の生地のシコシコとした食感と、内側のとろけるような滑らかさが一度に楽しめるのが魅力です。その独特な構造が、一口食べるごとに口いっぱいの幸福感をもたらします。
一時期は非常に希少な存在でしたが、最近では日本国内でも新鮮なブッラータを作っている工房が増えており、手軽に楽しめるようになりました。レストランだけでなく、ご家庭でも特別な日のディナーとして、この溢れ出すクリームの演出を楽しむことができます。
モッツァレラは弾力がありシンプルな味わい
一方のモッツァレラは、熟成させないフレッシュチーズの代名詞として世界中で愛されています。お餅のような独特の弾力と、ミルク本来のほのかな甘みが持ち味です。作り方は非常に特徴的で、熱湯の中で生地を練り、引きちぎって丸めるという手法で、イタリア語の「モッツァーレ(引きちぎる)」が名前の由来になっています。この工程が、モッツァレラ特有のしなやかなコシを生み出します。
味に癖がなく非常にピュアな風味のため、トマトやバジルといった素材の味を邪魔せず、そのまま食べても料理に使っても美味しい万能選手です。冷たいままサラダにすればみずみずしさが際立ち、加熱すればとろりと伸びて料理にコクを与えます。シンプルだからこそ、素材の鮮度が味に直結する、非常に奥深いチーズです。
日本でもスーパーやコンビニで手軽に手に入り、私たちの食卓に最も馴染みのあるチーズの一つと言えます。保存液に浸されたフレッシュな状態で販売されているため、食べる直前までそのみずみずしさを保つことができます。
香りとコクの強さが違う
ブッラータとモッツァレラでは、口に入れた瞬間の香りとコクの強さが大きく異なります。モッツァレラは、水分が多くて爽やかなミルクの風味が中心です。非常にさっぱりとしており、後味も軽やかなため、前菜として食欲をそそる役割を完璧にこなします。
対してブッラータは、中に生クリームが入っているため、バターのような濃厚なコクと芳醇な香りが重層的に広がります。一口あたりの満足度が非常に高く、チーズそのものがメインディッシュのような重厚感を持ち合わせています。溢れ出したクリームがソースのように他の食材に絡み、料理全体の味の深みを底上げしてくれます。
リッチな気分に浸りたいときや、メインに近い満足感を求めるときはブッラータ、軽やかに素材そのものを味わいたいときはモッツァレラが最適です。どちらのチーズも、ミルクの鮮度が命であることに変わりはありませんが、その味わいの濃淡によって使い分けるのがチーズ上級者への近道です。
日持ちや保存の注意点も変わる
保存の面では、モッツァレラよりもブッラータの方がさらにデリケートな扱いを求められます。ブッラータは生クリームを使用しているため酸化しやすく、鮮度が落ちるスピードが非常に早いです。そのため、賞味期限も非常に短く設定されており、一度開封したらその日のうちに食べ切るのが基本です。
どちらのチーズも、保存する際は乾燥を避けるために、パッケージに入っている保存液に浸した状態を保つことが大切です。液を捨ててしまうと表面が乾き、食感が損なわれてしまいます。また、冷たすぎるとミルクの風味が感じにくくなるため、食べる30分ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻すのがおすすめです。
常温に戻すことでミルクの香りが立ち、ブッラータの場合は中のクリームもより滑らかに溶け出すようになります。鮮度が命のフレッシュチーズだからこそ、正しい保存方法と食べるタイミングを守ることが、本来の美味しさを最大限に引き出すための鉄則となります。
ブッラータとモッツァレラを楽しめるおすすめ商品6選
鮮度が命のフレッシュチーズは、信頼できるブランドや工房から選ぶのが一番です。日本国内で手に入る、評価の高いブッラータとモッツァレラをご紹介します。
| 商品名 | 種類 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| CHEESE STAND 東京ブッラータ | ブッラータ | 渋谷の工房で作られる国産ブッラータの先駆け。鮮度抜群です。 | SHIBUYA CHEESE STAND |
| 牧家 ザ・ブッラータ | ブッラータ | 北海道の良質な生乳を使用。コクのある生クリームが魅力。 | 株式会社 牧家 |
| ストラッチャテッラ | 中身のみ | ブッラータの中身だけを瓶詰め。バゲットに塗るだけで贅沢な味に。 | CHEESE STAND公式サイト |
| クラフト 北海道フレッシュモッツァレラ | モッツァレラ | 癖がなく、日本人の口に合う定番の味。スーパーでも購入可能。 | 森永乳業株式会社 |
| 明治 北海道十勝生モッツァレラ | モッツァレラ | 独自の製法でミルクの鮮度をキープ。しっとり柔らかな食感。 | 株式会社 明治 |
| 花畑牧場 ひとくちモッツァレラ | モッツァレラ | 使いやすい一口サイズ。サラダや和え物に手軽に使えます。 | 十勝・花畑牧場 |
食べ方で差が出るブッラータとモッツァレラの使い分け
似て非なる二つのチーズですが、その日の献立や合わせる料理によって使い分けることで、素材の良さを100%引き出すことができます。具体的な活用シーンを見ていきましょう。
サラダはブッラータでごちそう感が出る
サラダの主役にブッラータを添えると、一気にパーティーのような「ごちそう感」が演出できます。旬の桃やイチゴといったフルーツ、あるいは生ハムやルッコラを盛り付けたお皿の真ん中にブッラータをドンと置きます。食べる直前にナイフを入れるパフォーマンスは、ゲストを喜ばせること間違いありません。
溢れ出したクリームがオリーブオイルや塩胡椒と混ざり合い、それ自体がドレッシングのような役割を果たします。果物の甘さとチーズの濃厚なコク、そして生ハムの塩気が混ざり合うことで、レストランのような複雑な味わいが完成します。特別な日の前菜として、これほど頼もしい食材はありません。
野菜や果物の水分をしっかり吸い取ってから盛り付けるのが、ブッラータをより美味しく見せるコツです。見た目のボリューム感と、中からとろけ出る驚きのコントラストを楽しみましょう。
パスタはモッツァレラで軽やかにまとまる
パスタ料理には、弾力のあるモッツァレラがよく合います。茹でたてのパスタにひとくちサイズのモッツァレラを和えると、パスタの余熱で表面がわずかに溶け、麺と絶妙に絡みます。トマトソースやジェノベーゼなど、温かいソースの中で適度な食感を残してくれるため、軽やかながらもしっかりとした食べ応えを楽しめます。
一方、ブッラータは熱で中のクリームが溶けすぎてソースと同化してしまうことがあるため、パスタの具材として「チーズの食感」を際立たせたいときは、モッツァレラを選ぶのが正解です。特にトマト、バジル、モッツァレラの「カプレーゼ風パスタ」は、モッツァレラのピュアな味がソースの酸味を引き立てる絶品メニューです。
冷製パスタにする場合でも、モッツァレラのコロコロとした形は彩りのアクセントとして非常に優秀です。どんなパスタにも馴染む懐の深さがモッツァレラの魅力です。
ピザは加熱向きのモッツァレラが扱いやすい
ピザのトッピングには、加熱に強いモッツァレラが不可欠です。高温のオーブンで焼くと、モッツァレラは独特の糸を引く伸びの良さを発揮します。表面に程よい焼き色がつき、香ばしさが加わることで、シンプルなマルゲリータも格別の美味しさになります。加熱することでミルクの甘みがさらに引き立ち、生地の香ばしさと一体となります。
ブッラータは非常に繊細な構造のため、ピザにのせて焼くとクリームが流れ出しすぎてしまい、生地が水分でべちゃべちゃになることがあります。もしピザにブッラータを合わせるなら、「焼き上がった後」に冷たいまま中央にトッピングするのが、本場イタリアでも人気のスタイルです。
熱々のピザ生地の上に、とろとろの冷たいクリームをのせて食べるという、温度差を楽しむ贅沢な食べ方は、ブッラータならではの楽しみ方と言えます。
はちみつや果物でチーズの甘みが引き立つ
デザート感覚で楽しむなら、はちみつや果物との組み合わせが最高です。ブッラータの濃厚なクリームは、メープルシロップや洋梨、シャインマスカットなどの甘みと混ざり合うことで、高級なスイーツのような味わいに変化します。上から少しだけブラックペッパーを振ると、味が引き締まり大人のデザートになります。
モッツァレラの場合も、ジャムやハチミツを添えることで、チーズの塩気が甘さを引き立てる「甘じょっぱい」魅力が生まれます。クラッカーの上にひとくちサイズのモッツァレラとはちみつをのせるだけで、ワインにぴったりの手軽なおつまみになります。
どちらのチーズも、甘い食材と合わせることで、ミルクの持つ多層的な美味しさがより鮮明になります。自分だけの「黄金の組み合わせ」を探す時間は、フレッシュチーズを味わう上での至福のひとときです。
ブッラータとモッツァレラは好みと料理で選ぶと失敗しにくい
ブッラータとモッツァレラの違いを理解すると、その日の気分やシーンに合わせて最適なチーズを選べるようになります。濃厚なとろける体験をしたいならブッラータ、弾力とピュアな風味を楽しみたいならモッツァレラ。この基準さえあれば、お取り寄せやレストランでの注文でもう迷うことはありません。
2026年の今、チーズの選択肢はますます広がっています。新鮮な国産チーズから、こだわりのイタリア輸入品まで、それぞれの個性を活かした一皿を楽しんでください。美味しいチーズが一口あるだけで、日々の食事はもっと楽しく、豊かなものに変わるはずです。
