カレーやシチューなどの煮込み料理に欠かせないローリエですが、「とりあえず入れておけばいい」と思っていませんか。実はローリエは、入れるタイミングや取り出す時期によって、料理の風味を劇的に変える力を持っています。ハーブの力を最大限に引き出し、プロのような仕上がりにするためのコツを詳しく見ていきましょう。
ローリエを入れるタイミングで香りの出方が変わる
ローリエ(月桂樹の葉)は、料理に清涼感のある香りを添え、肉や魚の臭みを消してくれる万能なハーブです。しかし、その香りをどう引き出すかは、投入するタイミングにかかっています。加熱の時間や方法によって、葉に含まれる芳醇なオイルが溶け出すスピードが変わるため、料理の目的に合わせて使い分けることが重要です。
基本は煮込みの早い段階で入れる
ローリエの香りを料理全体に行き渡らせたい場合、煮込みを開始する直前、または水分を加えた直後に入れるのが最も一般的な方法です。ローリエに含まれる香り成分であるシネオールなどは、じっくりと熱を加えることで徐々に液体へと溶け出していきます。
早い段階から入れることで、肉の獣臭さや魚の生臭さを調理の過程で中和し、上品な香りのベースを作ることができます。特に数十分から数時間かけて煮込む料理では、この初期段階での投入が味の深みを生む決め手になります。水から、あるいはスープが温まり始めた頃に入れることで、素材の旨みとハーブの香りが絶妙に調和した仕上がりを目指せます。
炒め油に香りを移すなら最初に入れる
よりダイレクトで力強い香りを立たせたいときは、煮込む前の「炒め」の工程でローリエを活用してください。フライパンに油をひき、にんにくや玉ねぎを炒める際、一緒にローリエを投入します。ハーブの香り成分は脂溶性の性質を持っているため、油に香りを移すことで、料理全体の風味の立ち上がりが非常に良くなります。
ただし、強火で焦がしてしまうと苦味が出てしまうため、弱火から中火でじわじわと温めるのがコツです。油に香りが移った後に水分を加えることで、最初から最後までハーブの爽やかさが持続する、香りの高い一皿が完成します。洋風の炒め物や、オイルベースのソースを作る際にも非常に有効なテクニックです。
風味を強くしたいときは割ってから入れる
「ローリエを入れているのに、あまり香りがしない」と感じることはありませんか。そんな時は、葉をそのまま入れるのではなく、手で半分に折ったり、数箇所に切れ目を入れてから鍋に投入してみてください。ローリエの香り成分は葉の細胞の中に閉じ込められているため、繊維を壊すことで香りが一気に放出されやすくなります。
特に短時間で仕上げる料理や、香りを主役にしたいときにはこの方法が最適です。折った部分から断面が露出することで、煮汁に成分が溶け出すスピードが劇的に上がります。ただし、細かく砕きすぎると料理の中に破片が混ざり、食べる時に取り除きにくくなるため、大きく2つに割る程度に留めておくのが賢い方法です。
入れっぱなしは苦味が出やすい
ローリエを使う上で最も気をつけたいのが、いつまでも鍋の中に入れっぱなしにしないことです。ローリエは長時間加熱しすぎると、爽やかな香りの後に、えぐみや苦味のある成分が溶け出し始めてしまいます。これが料理の味を損なう原因になることがあります。
基本的には、ハーブの香りが十分に料理へ移ったと感じたタイミングで取り出すのが正解です。特に繊細な味付けのスープなどでは、入れっぱなしによる苦味が目立ちやすいため注意が必要です。取り出し忘れを防ぐために、調理の終盤には一度トングなどで葉を探して取り除く習慣をつけておくと、後味のすっきりした美味しい料理に仕上がります。
ローリエを使い分けやすいおすすめ商品
市場にはさまざまなローリエが販売されています。形状や栽培方法によって使い勝手が異なるため、用途に合ったものを選びましょう。
S&B ローリエ(ホール)
日本のスーパーで最も手に入りやすい定番商品です。手頃な価格ながら、しっかりと乾燥されており、安定した品質で日々の料理に使いやすいのが魅力です。
| 商品名 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|
| S&B ローリエ(ホール) | 1枚ずつ綺麗な状態で、どんな煮込み料理にも万能 | S&B食品公式サイト |
GABAN ローリエ(ホール)
プロの厨房でもよく使われるブランドです。香りが非常に力強く、本格的な欧風料理を目指すなら特におすすめです。
| 商品名 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|
| GABAN ローリエ | 香りが立ちやすく、スパイスにこだわる層に人気 | ハウス食品公式サイト |
ハウス ローリエ(ホール)
こちらも家庭用として人気の高い商品です。品質管理が徹底されており、色鮮やかで香りの良い葉が揃っています。
有機ローリエ(オーガニック)
環境や安全性に配慮したい方には、オーガニック認証を受けたローリエが適しています。自然な風味が強く、野菜本来の味を活かす料理にぴったりです。
ローリエパウダー
葉を粉末状にしたタイプです。取り出す手間がなく、ハンバーグのタネに混ぜ込んだり、ムニエルに振りかけたりと、ホールとは違った使い方ができます。
だしパック用お茶パック(香り出し用)
ローリエを折って使う際や、複数のハーブと一緒に煮込む時に便利なのが市販のお茶パックです。これに入れてから煮込めば、取り出す時も一度に回収でき、葉の破片が料理に散らばるのを防げます。
料理別に分かるローリエの入れ方と取り出す目安
料理の種類によって、ローリエが果たすべき役割は少しずつ異なります。代表的なメニューごとに、最適なタイミングと取り出す目安を確認しておきましょう。
カレーやシチューは煮込み開始で入れて途中で取り出す
カレーやシチューなどのこってりした煮込み料理では、肉を焼き、水とルウを入れる前の「煮込み」のタイミングで投入します。じっくりコトコト煮込むことで、肉の旨みを引き立てつつ、全体の風味を調えます。
取り出す目安は、野菜が柔らかくなり、味付けを最終確認する頃です。ルウを入れてとろみがつくと葉が見つかりにくくなるため、ルウを溶かす前に取り除くのがスムーズです。これにより、食べるときに葉を避ける煩わしさがなくなります。
ポトフやスープは煮立てたら入れて10〜20分で外す
コンソメスープやポトフのように澄んだスープを作る場合、ローリエの苦味は非常に目立ちやすくなります。沸騰したお湯に具材を入れ、火を弱めてからローリエを投入しましょう。
そのまま長く煮るのではなく、10分から20分程度経過し、ふんわりとハーブの香りが漂ってきたら取り出します。この「短時間抽出」を心がけることで、スープに透明感のある爽やかな香りのみをつけることができ、上品な仕上がりになります。
トマト煮は香味野菜と一緒に入れて最後に取り出す
トマト煮込みやボロネーゼなどは、トマトの酸味が強いため、ローリエの苦味がある程度カバーされます。そのため、にんにくやセロリなどの香味野菜と一緒に炒める段階から入れ、じっくりと煮込み続けて大丈夫です。
トマトが凝縮されるにつれてローリエの香りもソースに深く馴染んでいきます。この場合は、出来上がって火を止めるタイミングで取り出せば十分です。最後に葉を取り除くことで、香りがソースにしっかり定着し、プロっぽい奥行きのある味になります。
ピクルスは加熱時に入れて冷ましてから外す
自家製ピクルスを作る際は、ピクルス液(マリネ液)を加熱する際に入れます。酢や砂糖と一緒に一度煮立たせることで、液全体にローリエの香りを移します。
火を止めた後、液が冷めるまでの間もローリエを入れておくことで、より深く香りが浸透します。容器に野菜と一緒に漬け込む場合は、1日ほど経って味が馴染んだ頃に取り出すのが理想的です。長く漬けすぎると酢の酸味とローリエの苦味がぶつかってしまうことがあるため、適度なタイミングで外しましょう。
ローリエは入れるタイミングと外すタイミングが味を整える
ローリエを使いこなすコツは、料理に合わせて投入する時間をコントロールすることにあります。肉の臭みを消したいときは早めに、爽やかな香りだけを添えたいときは短時間で、というルールを意識するだけで、料理の仕上がりは驚くほど変わります。
これまでは「ただ入れているだけ」だったローリエも、タイミングを少し意識するだけで、その真価を発揮してくれるはずです。ぜひ次の調理から、香りの変化を楽しみながらローリエを活用してみてください。
